小学生の時、二つか三つ年下の双子の女がいた。一卵性双生児だ。同じ学童に通っていたため知り合ったのだが、どちらがどちらか分からないぐらいは仲はよくなかった。よくなかったと書くと語弊はあるが、興味がなかっただけだろう。全員で20人ぐらいの学童だったと思う。全員に確認したわけではないか、その双子の見分けがつかなかったのは自分ぐらいだった。
双子の家と自分の家は歩いて10分ぐらいの距離で近かった。なので双子の家の前の道を歩くこともよくあった。
自分が小5ぐらいだったと思う。双子の家の前の道を歩いていたとき、その家の窓から双子の姿が見えた。一人か二人かは覚えてない。双子の家を通りすぎて何秒かたったとき、ガチャンと音がして後ろから足元に何かが転がってきた。双子の家の方向から投げられたのは分かったので、すぐ二階の窓を見たら、窓の下にさっと誰かが隠れたのを見た。一瞬のことだったので誰かは判別できなかった。十数秒見つめていたが、姿を表す気がないようだ。そこで転がってきた物体に目をやると、自転車の前輪の鍵を1.5倍したらぐらいの金属部品だったことは覚えている。こんなものを後頭部にぶつけられたら、下手したら死んでるところだった。そのあとは距離的に殺傷能力があるものを投げられないのは分かっていたので、普通に歩いて帰った。