独身で、友達も全くおらず、仕事でも下の名前で呼ばれることがない状況をもう数十年続けているのだが、コロナ禍になって、今までは年に1回ぐらいは親戚や家族から下の名前で呼ばれることすらもなくなって、本当に自分の名前を自分が聞くことがめっきりなくなってしまった。
そうなったある日、祖母に電話をかける用事があり、「もしもしおばあちゃん?俺だよ、〜だよ?」と名前を言う機会が久々に訪れた時、何か形容し難い違和感に襲われた。「自分の名前って、〜で合っているのか?」「自分の名前ってこんな発音で良かったのか?」と自分の名前なのに自信が持てなくなってしまっていた。
そう気づくと、所詮名前なんて自分にとってはそんなものなんだろうと。親にとっては大事なのかもしれないが、本人にとってはまぁこんなものなんだろうと、変な納得がいってしまった。