何千、何万という人たちが彼の死について様々な文章を投稿し、イラストを描き、音楽を作った。
僕は未だにあの日に取り残されたままのような気がした。というか、彼の音楽が好きだという気持ちだけあの日から先に進めていない。
最初は生活が続いていくのが嫌で、次に話題を耳にするのが嫌になって。段々そのいやという気持ちにも慣れてしまって、嫌だったことさえも忘れていってしまっていた。
ただ、どうしても彼がいなくなった後のバンドを見たくなくて、目に入れないようにコソコソ逃げながらずっと過ごしていた。
結局、現状を目にすることができたのはつい最近のことで、理由も簡単で、そんなものの言葉で二三年逃げていたバンドを正面から見つめるのだと思うと、なんだか嫌だった気持ちもとんでもなく安っぽいものだったのではないかと疑いの目を向けざるをえなくなる。
本人の言葉でも、ファンの言葉でもなく、たまたま聞いた言葉にそう思わされるのは言いようのない居心地の悪さを感じながら、ようやくアップされた新曲を先日再生した。
やっぱり嫌だと思った。