2020-07-21

お前は何もわかってない → いや、俺は何かをわかっている

最強ではないのか。必ず何かがわかっている状態が持続されるのだ。何しろ何かがわかっているのだ。

ハルデン刑務所に閉じ込められて、一年間目隠しの上水滴を落とされたとしても、何かをわかっているのだ。

何かをわかっている以上尋問完了しないし、何かをわかっている以上何かがわからないため引き出すこともできない。

お前、へそにほくろがあるだろうと尋問されたら、確かにほくろはある、と自信を持って答えられる。

ほら見ろと相手は言うだろう。しかしそこにほくろはない。ほくろは忽然と姿を消している。

そこで何かをわかっている人は言うのだ。ほくろは確かに存在している。

何かがわかっている人は、この世に無数のほくろが銀河のように散りばめられていることを知っている。

しろ、何かをわかっているのだから。そして次いで言うだろう。

私の腹にほくろはないかも知れない。しかあなたやその他周辺の人々、街を歩く赤ん坊主婦、勤め人、兵器開発者気象予報士、あるいは彼らの腹にならあるかも知れない。

そして腹をまくり、上目遣いで口角を上げて、眉も釣り上げて言うだろう。

僕の腹にほくろはないけどね。

から何なんだと言われたら、それでも何かをわかっているから、何を問われたらわかってるという他ない。

わかってないが成立しない。必ずわかっているのだ。

たとえ磔にされたあとパンツだけ脱がされて包茎の皮を剥かれて取り調べを受けたとしても、調査する者達は何も得ることができない。ただ何かを知っている事実けが虚しく部屋に残響するのみである

何かをわかっている。とにかく何かをわかってるからだ。

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