私は妹だ。できのいい妹だと言われてきた。
ずっと「お姉ちゃんは性格がいい、妹の○○(私)は頭がいい」と言われて育てられてきた。
お姉ちゃんは思いやりがある、お姉ちゃんは優しい、お姉ちゃんは芸術のセンスがある。私はワガママ、人を思いやれない、勉強はできる。
「勉強はできる」に縋りついていた。姉が何度学校をドロップアウトして、そのたびに親がせっせと違う学校に入学金を払おうが、私はずっと特待生だった。「勉強ができる」ことだけが支えだったから、学校のテストの朝はプレッシャーでいつも吐いてた。
就活をする歳になり、「もしここで良い会社に就職ができなければ、私の取り柄が消えてしまう」という不安でしにそう。本命の会社、ついに面接会場に向かう途中で、足が震えて立てなくなった。
道端にしゃがみこんで、お姉ちゃんに電話した。お姉ちゃんはお昼休憩中だった。
私は泣きながらもう立てない、歩けない、面接に行けない、といった。お姉ちゃんは、「大丈夫だよ、お話しながら行こう、もし行けなくても大丈夫、お父さんもお母さんもお姉ちゃんも、どんな○○でも大好きだよ」といってくれた。
それでで、私は、なんとか面接会場にたどり着くことができた。