直接見ると角が立ち、トラブルのもとになりそうなので、それとなく横を向いて視界ギリギリに入れたら、ベビーカーを押したご婦人が見えた。
それぞれ事情があるだろうから、こんな時期でも子連れで買い物をせざるを得ない人もいるだろう。
でも、赤ちゃんは自分自身以上に慎重に守って欲しいものだ。大人よりもずっと低い位置にいるんだから、ずっと遠くからの飛沫が飛んでくるだろう。
仕方がないので、少しだけ前に進んだ。その分、前の人との距離が縮む。
すると、後ろのご婦人も前に進んできた。自分のソーシャルディスタンスが前後ともに警告レベルですよ。
なんとなく息を止めた。
息を止めているうちに自分の番になったので、一気にレジの端まで進んで距離を取り、「いったいどんな面をしていやがる!」とばかりに ご婦人を見た。
お婆さんだった。