2020-04-18

コロナカレー

仕事を失い、借金を背負った。頭が取れそう。

あるのはバーモントカレー半箱。冷蔵庫食材なし。 

せめて玉ねぎをと思ったが、借金持ちが具など入れていいものかと迷い、買に行くのをやめた。 

調味料棚には、乾燥唐辛子料理酒。 

唐辛子はハサミでカットティーパックに入れて鍋へ。

料理酒はその全てを鍋にぶち込み、水で水分量を700mlに調整、煮きる。 

ルーを入れた。  みっともない。ただルーを溶かしただけの物。

米に注ぐ。 

この年になってこんな物をいただくのか。スプーンカレーで濡らし、米と一緒に運ぶ。   

、、悪くない。

、いやこれだ。

これがカレーだった。 

ヘドロのような玉ねぎ、ゴツゴツした岩のような野菜、木皮のような肉、全てノイズだった。 

米をカレーで食うとはこれか。

なんてこと、手間暇かけてマズくしていた。もうカレーライスと言うたびこいつしかかばない。 

、ああ、もうだめだ、なんてうまい、この時間に食べると寝付きが悪くなる、明日顔が晴れる。

なのに、体が胃に運ぶ、入っていく、意識が、おかわりが溶けていく。 

、、、

今日はこいつが寝る。明日また旨くなるのか、もう食いたい。

君はたくさん奪った。そしてカレーの答えに導いてくれた。

君も生きたいんだね、よかろう、一緒に生きて死ぬか。

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