2020-03-15

家庭内でのみ通じる擬音や名前

大学生のころ虫に刺されて腕が腫れ上がったことがある。それを伝える時に俺は「腕がボンボンに腫れている」と言った。実家ではそのように言うのが当たり前で、俺は何の違和感も持たずに使い続けてきたのだ。

しかしこれが全然伝わらなかった。ボンボン意味からないとか、ボンボンってコロコロみたいな雑誌だろうとか、そういう腫れかたは「ぷっくり」でしょうとか、周りには軽く笑われて俺はたいそう恥ずかしい思いをしたのだ。自分の家だけでしか通じないものがあることをその時知った。

ところが、それからしばらくして就職した職場で、話したことのない先輩が「ボンボンに腫れた」と言っているのを俺は聞いてしまった。その先輩は子供ゲーム機のことを「ピコピコ」とも言っていた。俺の親も同じように言っていたものから勝手に親近感を覚えたのだった。その先輩と話すことはついに無かった。九州の俺とは違って関西出身ということだけしか知らない。

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