私はよくネットサーフィンをする。
情報収集が主な目的だが、たまにそれとは違った、別の物を探して情報の海を彷徨う事がある。
齢12の頃からインターネットの海と親しんでいた私は、思春期の少なからぬ時間をネットの海で過ごした。
当時集めた情報は、今の自分にとって役に立っているのものあるが、大半はもう思い出すことすらできない。
唯一思い出すことが出来るものは、当時ネットの海に向けていた自分の情熱ともいうべき感覚だけである。
正確に言えば、ネットの海の先、仕入れた情報を基に起こそうと考えていた何がしか(例えば、訪れたい場所)の行動に対する情熱である。
あのころから10余年程経ち、亡くしてしまった(または弱くなってしまった)情熱を探すべく、私は今もネットの海を彷徨う。
求めている物はネットにはないのかもしれない。