ひらがなと漢字に挟まれて、色んな噂がある人だったけど、専属になってだいぶ経って、落ち着いてきたと思ったら卒業してしまった。
深夜番組で二十歳になったお祝いにオカマバーに行った長濱さんは、ママにこんなことを聞いてた。
「やりたいこととやったほうがいいこと、どっちを優先すればいいですか?」
ママに当然やりたいことだと言われた長濱さんはすごく泣いていた。
あれを、自分は、アイドルとしての方向性についての質問だと思って聞いていたけど、卒業の話だったのか。
アイドルになりたくて、親の反対を押し切って長崎から出てきた女の子。
いつからそのアイドルが「やったほうがいいこと」になってしまったのかを考えると、アイドルとしての長濱さんを好きだった自分にとっては辛い。
何も明かしてくれなくていいと思う。
ただ、きっと長濱さんは、
自分がきっかけで生まれたけやき坂46が、欅坂46とは全く別のグループとしてきちんと生まれ変わったのを見届けたくて、
やりたいことを我慢して、
これまで待っててくれたんだと思うことにする。
「そのうち100年経ってどこかで会いましょう
忘れないでイェイイェイ私を」
あのソロ曲の気の抜けたイェイイェイがもう聞けないと思うと寂しい。
忘れません。今までありがとう。