寺山修司が好きな同期がいた
寝る前に翔べなんてあの頃は言ってた
書を捨てて、ラジオをきいた
きくと東京に行きたくなった
たくさんたくさん知らない人の名前が出て
ようし 明日は あれを見てあれを聴いて
次の授業前にあれとあれ聞いた?って話してみよう
annをきくようになった
知り合いもいないし
思い出の場所もない
行きたい所がないって こんなにからっぽなのか
聞くたびに革命前夜の気分にさせられる
自分には何が出来るんだろうと思い
ちがう意味で街へ出たくなる
次の日僕は
知らない町の知らない道を
知らない人の顔で歩く
しかし歩いても歩いても
何も起きない、というより
話さないと消えていくような
白から透明へ
ああ、あの花咲いたね
寒くなってきたね
新しい店員さん入ったね
全部なかったことになりそうだ
今は歩いて歩いて
革命を起こす気分で吸い殻を拾う