2018-11-20

街へ出よう

寺山修司が好きな同期がいた

寝る前に翔べなんてあの頃は言ってた

書を捨てて、ラジオをきいた

最初tbs

きくと東京に行きたくなった

たくさんたくさん知らない人の名前が出て

たくさんたくさん素敵そうな作品タイトルを教えてくれる

ようし 明日は あれを見てあれを聴いて

次の授業前にあれとあれ聞いた?って話してみよう

就職して東京から離れると

annをきくようになった

もう東京電波は届かない 遠い町

知り合いもいないし

思い出の場所もない

行きたい所がないって こんなにからっぽなのか

見たいものや聴きたいものに届かない

渋谷から遠く離れて?じゃあここには何があるんだろう

話し手若いからか 聞き手若いから

聞くたびに革命前夜の気分にさせられる

自分には何が出来るんだろうと思い

ちがう意味で街へ出たくなる

次の日僕は

知らない町の知らない道を

知らない人の顔で歩く

しかし歩いても歩いても

何も起きない、というより

起きたことを話す相手がいない

さないと消えていくような

から透明へ

ああ、あの花咲いたね

寒くなってきたね

新しい店員さん入ったね

全部なかったことになりそうだ

今は歩いて歩いて

ゴミを拾うくらいしかない

革命を起こす気分で吸い殻を拾う

ごみ拾い中年

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