2018-09-14

兼務の罠

あるIT会社の話。

その会社は、ある程度年次が進んだ社員の多くを複数プロジェクト複数部署兼務にさせている。

表向きは様々な業務を同時並行で担わせることでスキルアップを図るというものだが、もう1つの隠れた本音があったりする。

それは、「激務で倒れた時の責任社員本人に押し付ける」というものだ。

兼務にすることで、その社員管理責任を負うのはどこの誰であるかが曖昧になるため、業務調整は兼務を掛けられた本人にほとんどの責任が負わされることになる。激務で倒れたら本人が悪いというわけだ。

もちろん、兼務にしても、それぞれの業務では一人分の業務量が求められるので、ほっといても激務になる。業務調整負荷は兼務数のべき乗で重くなるので、調整するくらいなら自分自身で抱え込んだほうが楽になる。

そして多くの社員が倒れたりメンタルを病んだりするが、だれも責任を負わないし、管理責任を問うことも出来ない。唯一問えるとしたら会社社長だが、いち社員社長に激務の責任を問うなんてことが出来るわけがない。

これで、「倒れたら自己責任」の仕組みが完成する。

会社は、会社自身を守るために、社員兼務を掛けるのである

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