だが、妊娠して妊娠糖尿病になって、全てが変わった。生まれて初めて真剣に食事制限に取り組んだ。
外食が多めだった食事から、外食を一切やめて家でカロリー計算をした食事を毎食作って摂るようになった。
子供は順調に大きくなっているが、体重は横ばいで血糖値の経過も悪くなく、医者からは褒められた。
だが、確実に食についてのストレスは溜まっていった。そして分水嶺を越えてしまった。
今は時々、血糖値の測定に響かないようなタイミングでお菓子などを食べてしまう。
それだけではなく、食後の血糖値が70前半で低血糖ギリギリだったということを言い訳にして、追加で食べてしまう。
食い意地の汚さは治ってはいなかったのだ。
食い物の恨みは恐ろしいというが、食い意地の汚さもまた恐ろしい。