それなりに本好きを自任してるので、渋谷の東急で大古本市をやってるのを知って出向いてきた。
何も買わずに帰ってきた。
古本って言っても、ブックオフみたいなレパートリーではなくて、滅茶苦茶すり切れた昔の知らない本だったり、人文系とかの専門書や、マニアックなサブカルのものばかりで。
私にはハードルの高い催物だったけど、会場は平日の昼間にも関わらず人であふれていた。
古い映画のパンフレットを血眼でめくって探す女の人(じゃま)や、昔の軍記ものの棚の前で座り込んで熟読するおじいさん(じゃま)とか、とにかく熱量の高い人たちが沢山いた。
その時は暇な人たちだな、と冷ややかに眺めていたんだけど、帰ってきて今思い返すと、あれだけ熱狂的に嵌るものを自分は持っているだろうか、とふと思った。
古本市に限らず、趣味の祭典は四季折々にいろんな場所で行われていて、それぞれ熱量の高い人々がそこにコミットしている。
自分にはそこまで熱く盛り上がれる何かがない。
なんだか私はとても寂しい人間なんだな、としみじみ思った。