2017-08-13

お片付け番組と、捨てられない夫婦

日曜の朝、『題名のない音楽会』のあとでテレビをつけっぱなしにしていると、『住まいダイエット』なるお片付け番組が始まる。

番組の『ペット王国』ほどではないが、私はこの番組が好きだ。でも、夫は耐えられないらしい。

 

「捨てたら家が空くのは当たり前じゃないか、なんで番組が成り立つのわからん」と言いだした。

 

わたし、わかるよ」と反論した。「捨てるって、思ってるよりずっと難しいことなんだよ。うちだって、捨てられない夫婦じゃん。ふつうの家では捨てる前にもっとためらうので、あんなにざっくりと捨てることはありえないけれど、しがらみも何もかも無視して捨てられたら、わが家もどんなにかすっきりするだろうなあ、って妄想するんだよ」

 

「なんだそれは。そんなにモノが少ないのが良いなら、俺のスペースはともかく、そっちのスペースくらい毎日整理すればいいじゃないか

いや、この本は商売道具なんですけど(お片付け番組では、本はだいたい未練なく捨ててますが)。

そもそも毎日整理できる人にはお片付け番組なんか要りませんって。

 

捨てられたらなあ、と妄想する妻。その妄想自体不快に思う夫。ささいな違いではあるけれど、溝は深い。

そして、今日も互いのスペースにモノが積み上がっていく。

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