『そうですか。でも慣れれば怖くなくなりますよ』
「恐怖を感じるのが嫌だから車を運転したくないのではなく、その恐怖の原因たる事故を起こす可能性自体が嫌なのです」
「楽しいかどうかは関係ありません。私は事故の加害者になりたくないのです」
『運転が楽しくなれば自然と運転の回数が増えて上手くなる。そこまで言わなければ分かりませんか?』
「その運転回数を増やす過程において事故を起こさない可能性が0だと言うのなら納得しましょう」
『どうしてそんなに運転が嫌なのですか?車はお嫌いですか?』
「聞かれる度に何度でも言いましょう。事故を起こす側になりたくないのです」
『それは運転を沢山すれば良いことでしょう』
「どんなに沢山運転をしても生来の才能は変わりませんし、その練習をしている間にも事故のリスクは付き纏うのです」
「私もです」