彼女は泣きながら――いや、涙を流しながらも、笑顔でそう言った。
それこそ、うんこみたいに。
よほど嫌だったのだろうか。
それとも嬉しかったのだろうか。
別々の場所で生まれた僕たちは、別々の場所で育ち、別々の場所で生活をしていた。
奇跡でも起こらない限り、そんな僕達が出会うはずはなかったのだ。
しかし、奇跡というのは、まるでうんこみたいにそこら中に転がっていたようで。
ある時僕は、一人暮らしを始めた。
そして僕らは出会った。
僕は恋に落ちた。
君を好きになってしまった。
しかし臆病な僕は、いつまでも君にこの気持を伝えることが出来ずにいた。
何年も、何年も。
君への思いはときに高ぶったり、収まったりを繰り返しながら、いつまでたっても出そうで出なかった。
それはただの挨拶だった。
初めての挨拶だった。
それがきっかけで、僕の君への思いは溢れた。
溢れて漏れた。
ずっと前から好きだったこと。
それが今漏れ出していること。
すべてを伝えた。
そしたら君は泣きながら、笑いながら言ったのだ。
わたしもおなじだ、と。
飽きた。