30歳男。
最近付き合っていた彼女と別れた。元カレとよりを戻す、と言い出して突然のお別れ。それはもう終わったこと。本題ではない。
その後やたら性欲がたまって、自分を慰めつつ、ちょくちょくAVを見ていた。そして、顔とプレイが好みの女優を見つけた。顔は童顔なのにプレイはドSで、叩いたり首しめとかやっちゃうような女優だった。
俺は決してドMでもなければ、首しめも興味がない。実際のセックスでも軽く叩くはするも、首しめはさすがにやらない。なのに、なぜかその女優が気に入っていた。というのも、女優のプレイが自分のセックスするときの行動にそっくりだったから。首しめは除いて、自分が彼女とのセックスでやっていたドSな行動を、その女優はそのままやっていた。見ていると、まるで自分を研究しているかのようだった。
女優も俺も、相手を気持ちよくさせることに関しては定評がある。なのに、なぜかドSになってしまう。
そんな女優は出演作のとあるビデオで、いつものようにドSぶりを発揮していた。だが、相手役が突然「お前のすべてを受け止めてやる、好きなだけ首を絞めな」などと言っていた。するといつものドSぶりがなりを潜め、女の子らしくなったプレイをしていた。
事後に相手役がこう言っていた。
「ずっと裏切られて人を信じられなくなっているんだね」
「オレが達してもお前は首しめをやめない」
「そんなアブノーマルなことをしたら、どうせ私から離れるんでしょ?と思っている」
「俺はそれに気がついた。だから、お前の孤独を全部受け止めてやろうと思った」
相手がそう言った瞬間、画面の中でAV女優が号泣。画面の外では俺が号泣。
女優も「わたしはお子ちゃまだったの、全部バレていたのね」と泣きながら言っていた。
そう、俺もきっとそれなんだよ。
中学生からAVとは長い付き合いだが、まさかAVで己を知って、あげく号泣するなんて思わなかった。おかげで、失恋のつらさとか、悲しい気持ちはとてもおさまった。