お世話になった先生に心からお礼を言い、わざわざ持ってきた一眼で教室の写真を撮り、さあみんなと帰るぞ、ってとこで友人に声をかけられた。
「カラオケ行かない?」僕は在学中、この誘いを70回くらいは断ってきたのだ。
中学生の頃、余りにも音痴だったせいで合唱コンクールの練習~本番までの時間、肩身の狭い思いをした僕は人前で歌うことが怖いんだ。って説明をすると納得して帰ってくれた。70回くらい。
その日は違った。18歳の、対して発達してない頭で、インターネットに染まりきった考えで、必死に考えた。
5分くらいあと、僕の足は最寄駅のカラオケ屋に向かっていた。最後だから、という理由で行った。生まれて初めて持ったカラオケのマイクは思ったより重かった。
合唱コンクールと違って音程を求められないし、好きな歌を歌っていいし、「ちょっと○○くん前に出て歌ってみて」って言われないし、「なんでこんなことができないの」とも言われないし、「お前のせいでバラバラなんだよ」と詰められることもない。
一方、大して仲の良くない知人にカラオケ後に、お前みたいな有害音痴は二度と人前で歌うんじゃねーぞ、となぜかキレてこちらを突き飛ばしながら言われた俺はなんか怖くてもういい...
入り口の段階で体育会系の香りがある風習をやらせるのはその文化にとって害悪でしかない。 体育とかもそうだけど日本の実技科目は基礎を教えないのに結果だけ要求するのでタチが悪...