2016-09-09

無題 第1話

頭の中で、なんども自分を殺した。

殴って、身を投げて、焼いて、薬を飲んで、想像出来得るかぎりの方法をもって殺した。

生きなければいけない。それは義務死ぬことが許されない現代では、空想世界に浸りながら現実幻想境界をできるだけ薄く保って、自分ごまかしながら生きるしかなかった。

なぜ生きなければいけないのか。

昔ですら腹を切ることは許されていたのに。生きるための希望自己責任で探すしかないのに、死ぬことへの希望は抱くことすら許されない。

僕は今日も駅のホーム投身する夢をみながら生きる。死ぬことを考えるために生きる。それが僕の希望人身事故電車が止まっても誰も僕のことを哀れんではくれない。個性承認もいらない。だから消える自由だけはもたせてくれないか。生きなければいけない世界には救いがないのだ。ずっとずっと頭の中で自分を殺す夢を見る。

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