大勢の人の助けをかりたのに、
その地獄は、ただひたすら道を歩くこと。
鞭でたたかれるわけでもなく、
目玉を抉り出されるわけでもなく、
ただひたすら、道を歩く。
この道は乳白色でやや温かみをおびた道で、
歩くぐらいどうってことない、そう思うだろう。
地獄はそんな甘くない。
この道を歩いていると、
俺の今まで生きてきた20年間で
人に与えられた優しさ、ぬくもり、愛情を
たった今目の前にあるように思い出してしまうのだ。
生まれたての俺を抱きしめるばあちゃんのぬくもり
いつも俺の身を案じて、
全部、全部、思い出してしまうんだ。
俺の身体に、その瞬間の感動がよみがえってしまうんだ。
なんで
なんで
なんで
なんで
なんで俺はみんなの優しさに気づかなかったんだろう
優しさを、裏切ってしまったんだろう。
けど
どれだけ生きたいと、生き返りたいと、願ってももう返れない。
俺は死んでしまった。
いつまで歩けば終わるんだろうか。
いつまで歩けばこの悔しと後悔をぬぐえるんだろうか。
その先に、何があるんだろうか。
果てしない、
果てしない、
道が続いてゆく。
なんだこのケータイ小説