2016-02-07

優しい過去

昔は昔で今と同じように逃げたい辛いやめたい死にたいという苦しみも確かにあったはず。

しかし今昔を思い出してみるとずっと幸福環境幸せ絶頂期だったような気さえしてくる。

嫌な思い出は思い出さずに楽しかった記憶だけを再現しようとする。

これはどうしたことだろうか?

もちろん最初の刺激というのは強烈な印象を持つものだがそれにしたって苦しいことも同じはずである

苦しみだけが新しいものとして現在まで続いているということだろうか?

意図的に脳が過去の優しい記憶を想起させることで精神安定剤のような役割をさせているのだろうか?

それとも幸福絶対量として過去初体験たちが今後の追体験を上回ることがないとしたら

自分死ぬまでにその幸福限界値を超えることなく生きて、死ぬのだろうか?

そう考えると恐怖というよりは肌寒い空虚さを覚える。

しかし、そうでなければ今自分の味方をしてくれている過去記憶も手放すことになるのだろうか?

幸福とは思い出の中に生きることなのだろうか…

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