2015-11-12

赤いベンチ

コンビニへ行く途中、自販機飲み物を買っている男女がいた。寒いのになぁ、なんて思いながら道路を挟んだ道の反対側からその男女を見ていた。

コンビニで目当ての物を買ったあと、さっき通った反対側の道に目を見やると、自販機から少し離れた場所に置かれたベンチにその二人が座っていた。

寒いのになぁ、でも、いいなぁ、と素直に思った。

二人の関係は私に知る由もないし、話してる内容が必ずしもいい話ではないのかもしれない。けれどこんな夜に、二人きりでベンチに座ってお話が出来るなんて今の私には、いいなぁ、と思う以外ないのだ。

私も出来るならあの人とベンチに座って、温かい飲み物でも飲みながら話をしたい。

ゆっくり時間が経つのも気にせず、無口なあの人のぽつりぽつりと話す言葉を聞いていたい。

仕事愚痴上司愚痴好きな人の話、彼女の話、家族の話。

なんだっていいのだ。距離があろうが隣に座って話が聞けるなら。

少し笑いやすいあの人が笑いながら話してくれるなら、私も一緒に笑いたい。

少し前はベンチに座って温かい飲み物を飲みながら話す事がこんなに困難だとは思っていませんでした

記事への反応(ブックマークコメント)

ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん