2015-09-07

消毒した話

中学同級生にバイキンちゃんと呼ばれている女の子がいた。

小学校給食の時に吐いたことがあって、

それ以来バイキンちゃんと呼ばれているらしい。

小学校は違ったのです)

中学校にはインフルエンザ流行予防から

エタノールの消毒液(ゲルのもの)がそこら上に設置された。

「お、これいいじゃん」

同級生やんちゃだったA男は消毒液をバイキンちゃんの机にかけていた。

「はは、これはいいや」

同じ小学校出身の子達はバイキンちゃんの机を殺菌する日々が続いた。

なので、いつもバイキンちゃんの机は湿っていた。

「殺菌!殺菌!」という軽快な掛け声でいつも机や椅子を殺菌していたが、

「これは元を断たないとダメだぞ」

「ん、だな」というみんなの合意のもと、

ある日バイキンちゃんが登校してきた時に、本人の頭から消毒液をぶっかけた。

「あばばばば、ばばば、痛い痛い、目が焼ける、焼けるああくぁwせdrftgyふじこlp」

痛がるバイキンちゃん。


「ははははは、やはりバイキンはこれで消毒されるんだー、ははは」

愚かなことにこの様子を見ていじめっこ達は喜んでいた。

僕はというと見て見ぬふりである

そしてこの日を最後にバイキンちゃんは学校に来ることはなかった。

本当に消毒されてしまったのである

記事への反応(ブックマークコメント)

ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん