2014-11-15

怪談 恐怖の納豆

私は納豆キムチを入れるのが好きだ。だから、タレもカラシも使わない。

捨てるのはもったいないから、なんとなく取っておく事にした。タレなら煮物とかに使えるんじゃないかくらいの気持ちで。ショップ紙袋にぽんぽん入れていた。

やがて、納豆キムチマイブームが去り、納豆も余り食べなくなった。紙袋存在も忘れていった。

ある日、職場に出勤すると、職場のおばちゃんが「聞いてよ〜」と言ってきた。

職場に、大量の納豆のタレとカラシが入った紙袋があり、中で何か腐っていたのだという。納豆じゃないの、とおばちゃんが笑っていた。

私は混乱した。おばちゃんは私の表情をみて、微妙疑惑の目になったのを悟り、「意味わかんないですね」と笑いながら答え、トイレに行くふりをして席を立った。

なぜ、あの紙袋職場に?

私が納豆のタレを職場に持っていく可能性について考えてみた。料理を振る舞おうと思って?みんなにおすそ分け?お弁当調味料に?捨てようと思った?何かの紙袋と間違えた?いや、どれもありえない。恥ずかしいから見られたくない、まず。捨てる気はなかった。紙袋は強度がないから、荷物を入れて運んだりしない。かといって、私以外の誰がするだろう。紙袋、タレとカラシの混在、この条件を満たす現象は滅多にないように思われた。

もう捨ててしまったらしいので、確認することはできない。じゃあ、私の家で見つかれば良いのだ。と思って探したが、見つからないのである

私に忘れられたから、紙袋に足が生えて、歩いて来たとしか思えない。

これが、怪談恐怖の納豆である

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