これは、耐えられそうにない。そう判断した僕は、途中下車した。
しかし、この駅、トイレまで遠そうだ。エスカレーター、何回上がらせるんだよ。
おい、しかも改札の外かよ。いちいち駅員に「ちょ、と、トイレに」とか言ってる余裕は無いんだ、こちとら。定期がないルートだったのだが仕方ない、余計に運賃を払おうととっさに決断。
東京メトロに比べて金をかけていない(かけられない)トイレに駆け込むと、運良く個室がひとつ空いていた。
時間は残されていない。そこまでキテるんだよ。
そして、この段階で、いつも気になっていた問題にぶち当たった。
「物を置くスペースがない」
カバンを持っていなかった僕には、ジーンズの尻ポケットに入れたiPhone6と財布、前ポケットに入れた鍵くらいしか所持品はなかった。
これ、このシチュエーションって、皆はどう処理しているんだろう?
僕は、便器に所持品がぶちまけられる最悪の事態を回避するため、いつも外に出して置くことにしている。
んで、今回はそのスペースが見当たらないわけ。
外に出さないと機種変したてのiPhone6が曲がったらどうしてくれる、都営新宿線。
幸い、無理やり目の前のバリアフリー的手すりに載せることができた。
ほんと、棚くらいデフォで設置しておけよ。手をかざす式の水洗を見つめながら、僕は脱糞を回避できた喜びを噛み締めたのだった。
まだ余裕あるんじゃないか? 和式トイレは疲れるので嫌いだ。現代人なので。 便器があるだけでもありがたいだろ。 本当にヤバかったら便器様を拝むことはあれど、嫌いだなどとは...