両親に対して今更ものすごく感謝の気持ちでいっぱいになっている。なんでこんな気持ちになってしまったのか全然わからない。
あれはランニングから帰ってきたときのことだ。母の部屋から小銭をいじる音が聞こえてきたのだ。ジャリジャリ、というよく有りがちなアレだ。その音を耳にした瞬間、ぼくの意識の中に数十年後のぼくの意識が乗り移った気がしたのだ。それも母・父の最期をみとっているようなぼく。急に寂しさが心の奥底からこみ上げてきた。
親が生きているうちに親孝行しとけよ、とよくいわれる。しかし、普段から意識することは本当に難しい。日々、自分がやらなければいけないこと、考えたいことが頭の中を占拠し始めてしまう。時間が経てばたつほど両親の存在なんて薄れてしまうのが普通だ。
だからこそ。だからこそ、今のうちにこの想いを書き留めておこうと思い立ったのだ。この暖かい、大事にすべき想いを忘れないために。ぼくは急いでマックを立ち上げ、このノートパッドに書きなぐっている。
人間はいつか死ぬ。そのときに笑ってられるように生きていきたい。親孝行に関しては特に気をつけたい。する後悔。しない後悔を残さないように生きていく決心をしたGWだったのだった。