2013-11-30

「どうせ世界は変わらないさ」

70歳くらいのある時計職人ドキュメンタリーが2年ほど前にやっていた。それを録画したものを時々見ている。

そのドキュメンタリーで、時計職人が言った言葉が印象に残っている。

「どうせ世界は変わらないさ」

この言葉は、悲観的な気持ちで言っているのではない。そうではなく、自分客観視するように言っているようだ。

その時計職人は、引退をしてからも、オリジナルの独創的な時計を作り続けている。そしてそれらの時計が街の色々な場所で良い景観となって動作し続けている。

時計を作っていくなかで、どうしてもうまく行かないことがある。その時に「どうせ世界は変わらないさ」と言って、熱中しすぎることを抑止して、冷静な頭で新しい発想を促しているように感じた。

自分のことだが、7年ほど前は「これをすることで世界が変わる!できるだけ短時間でやってやるぜ!マジンガーゼッ!」スタイルで、無理に色々な物を詰め込んで、無茶なスケジュール仕事をしていた。達成感がすごいと感じていた。常に神経が張りつめた状態に自分を追い込むことで、細かな点に気づき、新しい発想が生まれた、と感じていた。

でも、今はそういうスタイルはやめ、「どうせ世界は変わらないさ」方式で、客観的仕事をするようにしている。スケジュールもぎりぎりにせずに、少し余裕があるように設定している。結果として、問題の根本解決をすることができるようになり、その問題は一度解決したら、あとは手間がかからなくなり、次の新しいことにどんどん取り組めるという、正のスパイラルに入ったように思う。

振り返ってみて、モチベーションを高めて、邁進するというスタイルは、合う人には良いが、それは僕のスタイルではないと思った。神経がはりつめた状態で、細かな局所解に囚われすぎてしまう。そうでなく、「どうせ世界は変わらないさ」と楽観的なスタイルで、冷静に客観視しながら仕事を進めるのが自分には最良な方法であると思う。

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