爺さんが死んだ時の話。携帯で長文ですまん。
爺さんの部屋の整理を俺も手伝ったんだが、押し入れに古い木箱が入ってた。
開けてみると、どうやら戦争の時の思い出の品々が入ってるみたいだった。
俺はそれをこっそり自分の部屋に運んで調べたんだ。
何かお宝が、例えば刀とか軍服とかカッコイいものがあるかもと思って。
今思えばとんでもないバカなガキだった。
中には赤茶色のぼろ切れ、銃剣の剣、水筒や変な置物、手帳、ワケわからんガラクタ、何枚かの写真、そして…白っぽい何か。
「なんだこれ?」白っぽい何かは布にくるまれてた。長いのが二本、細かい欠片が多数。
しばらくして気づいた。腕だ。これは人間の、肩から先の骨だ。細かいのは指だろう。
しかし誰の?
爺さんは五体満足で帰って来た。
戦争の話は一度もしなかったが親父が言うには結構な地獄を見てきたらしい。
戦友の骨だろうか。
手帳を開いてみた。
恐らくは日記帳だと思う。
日付と共に戦場も移っていく。
良く読めなかったが知ってる地名がいくつかあった。
多分南方だろう。
軍オタが読めば面白いのかもしれない。
最後のページにはただ一行だけ、
『我、餓鬼道ニ堕チタリ』