2023-09-29

シャンプードレッサー

風呂に入るのが辛い。顔を洗うのも、歯磨きをするのも、酷い時は水を飲むことすらも辛い。

「お風呂がめんどくさい」とカジュアルに言ってはいるが、まわりの言う「お風呂がめんどくさい」感覚より、多分私の「風呂が辛い」はもっと不衛生な気がする。ので、人には言えない。

風呂に入ることの何が「辛い」のか。言語化してみると、私の場合「濡れる」事が辛いのだと思う。

頭や体を濡らすのが辛い。本当に、とてつもなく疲れる。入ってしまえばサッパリする事は理解していても、そこに至るまでの工程が「辛い」。

清潔であることは最低限の社会性であり、勤め人である以上は外に出なければならない。どうにかして風呂に入り、人前に出ても最低限問題のない状態にしなければならない。

以前、もっと酷い時は一週間以上風呂に入れなかった。当然、その間人に会う事は出来ないし、外にも出られない。不衛生な自分の事も許せない。

肌が荒れ、髪が脂でベタベタになり、体が蒸れて痒くなった頃にようやく風呂に入ってヘトヘトになりながら「不衛生な自分」をリセットする。思春期の頃、誰にも会えなかった時はそうしていた。

今は曲がりなりにも社会に出ており、否が応でも他者と関わらなければならない。外に出ない、誰にも会わない、という訳にはいかない。

「清潔であること」は最低限の社会性だ。人間性担保だ。あの頃の私には人間性がなかった。多分、今もない。入らなくても良いのなら入りたくない。

それでもどうしても入れない時、シャンプードレッサーがあるとないとでは、かなり変わってくると思う。

服を脱ぐのも辛い時、とりあえず洗面台で髪を洗ってみる。使うのはリンスインシャンプーでいいし、シャンプーだけでもいい。さらに余裕があればコンディショナーも使うと髪が綺麗にまとまる。

髪を洗った流れで、そのまま洗顔をする。泡で出るタイプ洗顔料だと、ポンプを押してそのまま顔を洗えるので便利だ。

ここまで来れれば、「体をシャワーで流す」「体は蒸しタオルで済ませる」「下着だけ取り替える」等、状況に応じて選択が取れるようになる。

髪が清潔だと、外に出るまでのハードルが下がる気がする。「入浴」だと頭を洗うこと、顔を洗うこと、体を洗うことの全てがワンセットになり、どうしても工程が多くて、考えるだけで疲れてしまう。

工程をわけると、髪を洗ってみよう、顔を洗おう、体についてはその後に考えよう、と一つ一つ別にして考えられる。髪が濡れてしまえば勢いもつく。諦めがつく、とも言える。

髪を洗った後、顔を洗うのが難しければ蒸しタオルで顔も体も拭いてしまえばいいし、洗顔シートや汗ふきシートで済ませたっていい。

ドライシャンプーなんかもあるけれど、私の場合は髪や頭皮の油分が多いせいで使っても見た目の不潔さがあまり変わらなかった。人によっては、選択肢としてありだと思う。

スキンケアも、とりあえずオールインワンを塗って、髪には何かしらミルクなりをつけて、乾かさずに終わらせる。洗えただけ御の字だ。

最低限の人間性保証してくれるから、多少家賃が高くなってもシャンプードレッサーのある物件からは離れられない。

これがなかったら、一週間のうち三日も外に出られないと思う。夏ならもっと出られない。

シャンプードレッサーを発明してくれた人、ありがとうあなたのおかげで私はどうにか人間として外に出られています

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