2023-09-28

頭の中は喧騒で一杯だ。電車の中で揺られ、無感情な顔を見つめながら、自分の生死さえ疑問に感じるほど生が薄れていた。終わりのない労働、煙たい人間関係、これに耐える力はもはや何処にもなかった。脱出必須だった。逃げるようにして、仕事から解放された。

ある雨の日、閉ざされた部屋の中で時間が過ぎるのを待っている時、自然の流れで電気屋へ足が向かった。そこで、ポメラという名前の小さな機械出会う。機械と心が繋がった瞬間、購入した。家へ帰り、その小さな機械を開くと、指は自然に動き、文字流れる

日記が始まった。当初は些細なものからしかし、日が経つにつれ、自分の心の中に沈んでいた感情が浮かび上がってきた。心の底に溜まっていた澱が、ポメラスクリーンに静かに流れ出た。インターネットの騒がしい世界から切り離され、心の奥深くに触れることができた。

この小さな機械が開く窓から、光が差し込んでくる。自分感情、考え、痛み、希望。全てがはっきりと見える。ポメラと共に、心の傷が癒されていく。再び社会に立ち向かう力が生まれてきた。今、自分の心は再び温かい光に包まれている。

記事への反応(ブックマークコメント)

ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん