2021-04-22

キャベツを切る度に思い出すことな

中学一年生の春、担任国語教師だったから、いきなり作文を書かされた。

テーマは「中学生になって」みたいな。目標とか頑張りたいこととかを自由に書くやつ。


普通部活勉強を頑張りたいとかを書くところを12歳のわたしは捻くれていたから、大人はこういうこと書けば満足するんだろという可愛げのないことを考えながら書いた。

タイトルは「キャベツ」。

わたしキャベツみたいな人になりたい、芯は強いが葉は柔らかくて甘い、集まった青虫たちが食べれば綺麗な蝶々になったらいいな、とか云々。

30歳も間近になったわたしキャベツ包丁で切り刻む。使いかけの1/4玉、もう萎れかけているやつ。義母からもらった600gの豚バラ肉を、間抜けな夫は小分けにせずにそのまま冷凍した。解凍するのも面倒、肉の塊に力任せに包丁を入れる。ペラペラ包丁から脂身のところしか切れない。

しなしなのキャベツ脂身のかけらでパスタを作る。空腹を満たすためだけの美味しくもないパスタ。夫は今無職になって丸4ヶ月、仕事コロナ関係なく辞めて、すぐに失業申請をしなかったから、いまだに失業給付をもらえない甲斐性無し。完成しても分けてあげない。


わたしキャベツみたいな人にはなれない。

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