2020-06-27

武士道批判序説(2)

「『国家の品格』を著した藤原正彦先生の『今こそ武士道を』ていう御意見への反論やけど……まず現実武士を云々する前に、先生の論説のあり方が理屈としておかしい」

勇気あるなあ。数学先生にそれ言うん?」

文藝春秋2019年10月号『日本韓国国家の品格」』で、先生はこうおっしゃってます

朱子学の教えでは、序列が上の人間に対して「礼を尽くす」のが最大の美徳となります朝鮮はこの教えに徹底的に倣って、中国に対して礼を尽くしていました。〔……〕こうして朝鮮は「主体的国家であることを放棄していたため〔法や秩序の意識が育たず〕その延長線上で、今でも簡単国家間の約束事を破ってしまうのです。

「これ、鎖国時代のお侍に聞かせてみたいわ」

「て言うと?」

上野の学寮、湯島聖堂昌平坂学問所……時代は移れど、武士の中の武士であろう旗本御家人の頭に注入されてたんは、その朱子学徳川時代中期、松平定信以降は朱子学以外の儒学が実質禁じられてさえいた」

「それもう国教ちゃうの?」

徳川期の武士道の中心には朱子学がある。そして武士道を推す藤原先生念頭にあるのは、徳川期の武士

武士道」は鎌倉時代以降、特に江戸時代に多くの日本人の行動基準道徳規準として機能してきました〔……〕

「『国家の品格』が2005年出版されベストセラーになってから今まで、藤原先生徳川幕府における朱子学地位について知ることがなかったなど、考えにくいんやけど」

先生文藝春秋編集者さん、先生に近しい人……誰もこの破綻に気づいてへんとか、ありうるんやろか?」

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