ただ、不思議なもので、一週間もすれば話題性は薄れ、一ヶ月もすれば誰もそれに触れなくなる。3ヶ月もすれば炎上した事すら忘れ、「なんとなくなにかをやらかした人」程度に収まる。
人の噂も七十五日という言葉のとおりだ。
一体何人が、ホリエモンが新幹線で席を倒していいか聞いてくる人にキレた事で炎上した事を覚えているのか(これ、今思えば心底どうでもいい話題だ)。
一体何人が、キングコング西野が美術館を作ったから寄付しろ!と言った事を覚えているのか。
一体何人が、RADWIMPSがHINOMARUという曲を作ったことで炎上した事を覚えているのか。
あるいは、去年のオリンピックで金メダルをとった日本人の名前――もしくは競技でもいい――を全て言える人は何人居るのだろう。
だから、おそらく炎上商法は正しい。知名度を高めることは、きっと仕事やあるいは金につながる。
ただ、私はそこにある種の悲しさと面白さを感じる。
あれだけ炎上したのに、話題をかっさらったのに、人は忘れる。興味をなくす。
それはつまるところ、人間は他人に、そこまで興味がないからではないか。
他人などどうでもいいと思っているから、炎上した人間を叩いて、満足したらあとはどうぞご勝手に、となるのではないか。
悲しい。人間は他人に延々と関心を持つ事は出来ない。持っても七十五日だ。
すごく悲しい事だとは思う。
だが、逆に考えてみると面白い。
周りからは「やめとけ。どうせ失敗する。金や生活はどうするんだ」と言われるかもしれない。
だが、実際に自分に金品や生命の被害が及ばない限り、他人からの煽りや叩きは、どうせ七十五日で収まる。