修学旅行の帰り道、途中でバスを降ろされた自分はお腹が空いていることに気づき、たまたま目についたドミノピザに入った。
テイクアウトでMサイズ。何を頼んだのか商品名まではちょっとわからない。きのこ系のやつだったと思う。
ピザが出てきてびっくりした。
普通、ピザ屋のピザは薄いダンボール状の箱に入っている。ところが渡されたピザは厚紙の上にピザが載っているだけだった。ピザ丸出し。
僕「え?」
店員「え?」
考えた。このまま厚紙の上にさらけ出されたピザを外に持ち出したらピザは埃だらけになってしまうだろう。ただ、食べ歩きというのもあるし、一概に不正解とは言えないかもしれない。もしかしたらドミノピザは食べ歩き推奨なのかもしれない。Mサイズだし。でもダンボールはいざってときに役に立つし……
僕「あの、なんで箱に入ってないんですか? 家まで持って帰る頃にはピザは埃だらけですよ! それともドミノピザはそういう方針なんですか?」
僕「でもこれを写真にとってTwitterで拡散したらドミノピザは大変なことになりますよ! それでもいいんですか!」
仕方なく厚紙の上に載ったピザを持って店を出た。やれやれ、今日は災難続きだ。
車の行き来がそれなりにある。ピザをかばいながら歩いていく。しばらくすると後ろから誰かが走り寄ってくる音が聞こえ、「お客さーん」と呼ばれた。
店員「ドミノピザもう一枚つけますので、その、ネットに書き込みするのは……。ドミノピザが終わってしまいます!」
僕「は、はあ……」
店員は走って店へ戻る。無視しても良かったのだけど、ドミノピザがもう一枚無料でもらえるというのは愉快な話なので後に続いた。
店につくと、店員はピザが焼き上がるまでこれをと包装されたままのマドレーヌを差し出してきた。
い、いらねー……
僕「気にすることはないですよ。マニュアルで決まっているのだからあなたの責任ではありません」
ピザが焼き上がるには時間がかかるので近くの図書館で待っているように言われた。そわそわしながら図書館で待つ。大量の本を見てふと気づく。ここは図書館か!
図書館の中を何か高く売れそうな本はないかと物色していると、そのうち店員がやってきてピザはまだかかると言う。
飴をもらった。