2017-08-29

夜の会

TLに、クリスマスコフレの話が流れてきた。

「また8月なのにね」

「もう9月だよ」

今年もきらびやかなケースとコスメ話題になるのかな。

私はもう27になるけど、クリスマスコフレなんて、まだ買ったこともない。百貨店に近寄るのも、まだ慣れない。

彼と話すうち、化粧品デザインの話になった。きらきらしてかわいいものは多いけど、プラスチック製の素材は、どうにも女児玩具っぽくて、私は受け付けない。

ロココ調を目指しているであろうラデュレの花びらチークを見せながら、「いい線いってるけど、惜しいよねえ」と私が呟くと、

もっと本物の素材を使ってるブランドはないの?」

と、デザインよりも材質を重視する彼が、呆れたようにこぼす。

いろいろ探して、資生堂の復刻版の白粉とか、オイデルミンの瓶とかを見つけた。これはかわいい

それから伊勢半の板紅。画像と、ケースの材料を見て、彼も深く唸っていた。

「本物は.....すごいな.....」

「これは、娘が成人した時にあげてもいいレベルの贈り物だと思うよ」

「そうだね.....」

それから現代でも彫刻品としてきれいな化粧品ケースの文化は、香水瓶に受け継がれてるんじゃないかって話になった。

近代建築のようなブルガリのオムニア

上品で慎ましく、伝統を感じさせるペンリガン

彼は、ガラス製の瓶が好きらしい。

エジプト香水瓶の存在今日初めて知ったらしく、「デキャンタできるかな?」なんて言ってはしゃいでいた。

サンタマリアノヴェッラのマッジオウォーターは、5月まれの彼のために選んだものだ。ずっしりと重いガラス瓶で、底に刻印がしてあるしっかりした作りだ。

「なつかしい。昔家族で行った、リゾートホテル香りがするよ。」と、今でも気に入っていて、時々つけてくれている。

そうしてだらだらと話しながらネットサーフィンをして、ゲランの「夜間飛行」を見つけた。

作品のコンセプトと、洗練されたデザイン

これには、二人で画面の前で唸ってしまった。

流石に手が出せる値段じゃなかったけれど、でも、とてもかっこよかった。20世紀前半のデザインが、そのまま残っている。

「すごいね、かっこいいね」と二人してはしゃいでしまった。

「そろそろ寝ますよー」と諭されて、今こうして布団にもぐっている。スピーカー越しに寝息が聞こえる。向こうはもう寝てしまたかな。

会話するほどに、互いの好みを深く知ることができて、とてもたのしい。

遠距離恋愛、たのしいですよ。

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