その昔、エスカレーターとは、てんでばらばら、左右好きな位置に立ち止まって利用するものだった。
で、みんなパーソナルスペースを確保したいものだから、二列にきちんと整列して詰めて乗る、などということはなく、
左右ばらばらだったり、前の人とは一段開けて乗ったり、かなりムダにスペースを使った乗り方をしていたものだ。
関東圏で「急ぐ人のために右側を歩く」というマナーが定着していったのは、80年代半ばから90年代初頭、
ちょうど昭和末期から平成はじめのころだったのではないかと、個人的には記憶している。
これは欧米ではすでに当然とされている、きわめて合理的なマナーであって、いまどき右側を空けないなんて、なんてマナーを知らない田舎者の馬鹿野郎なんだふざけるな、
歩かない人は、きちっとつめて一列に整列して乗るようになったし、急ぐ人はスムーズに使えるようになったし。
今や、はてなで、エスカレーターを歩くような人間は、人でなし扱いされかねないようだが。
地下鉄の新御茶ノ水→JR御茶ノ水駅乗換えの、あの、妙に長いエスカレーターをじっと止まって乗っていられない程度には、せっかちなのである。
歩きたければ階段を歩けといわれたって、そもそもエスカレーターしかなかったりする駅も多いし。
どこかで、「大江戸線某駅の4分かかるエスカレータを歩いたところで、所要時間が3分30秒程度に縮まる程度の効果しかない(だから歩くのなんかムダ)」という
意見を見かけたが、なにをとんちんかんを言っているのか、と思った。
いや、その程度の効率化なんてどうでもいいという程度に、余裕のある生活を送っているというのは、一面うらやましくもあるが。
最近になって、エスカレーターの歩行に起因する事故が増えているのは、歩きスマホする馬鹿と、高齢者が増えたせいではないかと個人的にはにらんでいるが、
それはともかく、このマナーが、別に法律的な強制とか何かがあるわけでもないのに、これだけ定着してしまった現状と、
「歩く人のために片側を空ける」「急ぐ人は歩いていい」というマナーを撲滅するには、
そのマナーを撲滅する必要はないと思うが、ただ左側に乗りたいがために長蛇の列をエスカレーターの前に作るのはバカだと思う。右側はガラ空き。 臨機応変に詰めてスループットを高...
お前こいつと同じように見られるからな。 ↓ http://nueq.exblog.jp/20276833/