Web界隈なり、少ない俺の友達なりは「クリミアがロシアに帰属することの何が悪いの?」って意見が多い。
そういう意見を持ったのなら、それはそれでいい。
でも、俺の意見は違っていて。今回のような形でロシアがクリミアを併合するなんてことは許されるべきじゃないと考えてる。いろいろ思うところがあるので、書いてみる。
まず何はともあれ語れるのは、クリミアがロシアに帰属するというその事自体は決して悪いことじゃない。
アメリカ占領時代の沖縄のイメージだろうか。住民感情的に今の国家ではなく、別の国家に帰属したいと考えるようになる状況ってのはありえるだろうと思う。フルシチョフが下手こいたせいでいつの間にかクリミアはウクライナになってしまって、ソ連崩壊のゴタゴタとともにそのまま現在に至って、そりゃあおじいちゃんおばあちゃんはたまったもんじゃないだろうなあと。自分たちはロシア人なのに、なぜウクライナに帰属しているのか。って思う人がいても不思議じゃない。
でも、問題がある。
上記のような状況なわけで、例えばウクライナの承認のもとクリミアでの住民投票が行われて、帰属の変更が承認されたあかつきには自然な形でクリミアはロシアへ帰属を変更できただろうと思う。
でも、今回はそうじゃなく、ロシアは軍事力を使ってクリミアへ侵攻し、自治政府の首相をすげ替えて、住民投票を強行させた(と思われる)。
http://ja.wikipedia.org/wiki/2014%E5%B9%B4%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%83%9F%E3%82%A2%E5%8D%B1%E6%A9%9F
今回の危機を正しく表現するなら、クリミアを主語とした「クリミアの帰属の変更」というよりも、ロシア側の行動による「クリミア併合」とするべきだ。
住民投票の結果が信頼に足るものであるか検証ができない時点で、住民投票の結果などあってないようなものだ。
頑なにクリミア自治共和国での住民投票を認めなかったウクライナ政府にはもちろん大きな問題がある。それを前提にしても、ロシアの行為は明らかに誤りだし、これを許容するならナチのオーストリア併合もチェコ併合も許容しなければならなくなる。
そんなことはすべきじゃない。