会社を辞める決意をしたとき、大変な仕事にアサインされていた。
システムのデータ移行がまったくスケジュール通りに進まず、本番データ移行作業で多くの問題が発覚したからだ。
あの頃は帰れなかった。休めなかった。寝られなかった。
毎日が徹夜かタクシー帰り(2時〜3時に帰宅開始)。それほど忙しかった。
帰れない・休めない・寝られない このくらいは耐えて炎上案件をこなしてきた。
今度も今までと同じように乗り切ろうと思っていた。
しかし食事をとるなと言われたのは初めてだ。
あれは21時くらいだっただろうか、依然として終わらないデータ移行作業に今日も徹夜を覚悟し、一度夕食をとってこようと席を立った。
「どこに行くんですか?」
「夕食をとってきます。」
「でも途中でエラーになったらどうするんですか?」
「すぐに戻ってきますよ。」
もう、こんな会話をするのが嫌でたまらなかった。
「…既に1時間10分遅れているという事実を踏まえて出て行って下さいね。」
ショックだった。
この人はこんなことを言う人ではないと思っていたけれど、状況が変わればわからないものだと学んだ。
自分の中で「プチン」という音がした。
1時間10分だろうが1日と1時間だろうが、 実は私の人生とこれっぽちも関係ない件な事が多いんだよな。 なーにムキになっちゃってんの?って。 やめちまえば仕事なんてきれいさっぱりさ...