2010-05-29

精神科という場所

DSMの改訂の度に、論議を呼ぶような追加があるが、今回も例外ではない。実際、マニュアルだんだん厚くなっている。今回提案の改訂で最も不穏なのは、いわゆる医療専門家が個人の性格を調査する際の方法が、ずうずうしく露骨な新方式になっていることだ。

変わった個性を持つ子供が、その個性のために奇抜な行動を見せると、精神疾患と分類されることになる。昔からこの基準で診断されてきたならば、モーツァルトアインシュタインのように通常の枠組みから飛び出して新しい発想にたどり着く人は存在しなかったかもしれない。

ワシントン・ポストの記事は、このことを的確に表現している。

今日、7才のモーツァルトコンチェルト作曲しようとすれば、注意欠如・多動性障害と診断され、投薬で才気の無い『正常』にされるかもしれない」

性格の違いまで精神病解釈するとなると、人間は個人的な義務を感じなくてよくなるが、同時にユニーク人間性を奪われることになる。自分で考えることができず、医薬品コントロールされるだけの存在に貶められる。

http://tamekiyo.com/documents/healthranger/dsm.html

この子(http://www.youtube.com/watch?v=6-owL1vM4nE)みたく飛びぬけていたり、見つけて伸ばしてもらえた子は良いのだろうけど、そうじゃない出る杭になっちゃった子は打たれるんだろうな。

精神医療の周辺ってこれだけじゃなく、色々とこわい。

医師自殺率は高い。1980年代前半の英国における医師自殺率は、一般人口に比べて、男性で3倍、女性で6倍である(a'Brook,1989)*1。最近米国では、一般の男性に比べて、男性医師自殺を試みることが1.41倍だが、一般の女性に比べて、女医自殺を試みることが2.27倍と高く(SchernhammerとColditz,2004)、女医の19.5%がうつ病の既往を自己報告している(FrankとDingle,1999)。

1967年から1972年米国では、精神科医の自殺率は、他の医師の2倍である(Richら,1980)。自殺率が高いだけでなく、精神科医は医師の中で喫煙率が最も高く、禁煙に最も失敗しやすい(TamerinとEisinger,1972)。1980年代米国では、男性精神科医の7.1%、女性精神科医の3.1%が、自らの患者性的に接触している(Gartrellら,1986)。これらは1960年代から1980年代にかけてのデータだが、精神分析流行していた当時の米国精神科医たちは一般の医師よりもさらに不健康な人たちの集まりだったようだ。

http://d.hatena.ne.jp/hotsuma/20071224/

 全国自死遺族連絡会が2010年3月までに行った調査によると、自殺者1016人のうち精神科受診治療中だった人は701人で、69.0%を占めた。自殺者のうち飛び降り、飛び込みは197人で、自宅のマンションから飛び降り自殺を図った場合は全員が受診していた。また、自殺した20~50歳代女性も100%が通院していた。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100504-00000000-jct-soci

さて、このグラフは何を表しているのでしょうか?これはものの

見事に精神医療産業戦略通りに患者が開拓されていることを

示しています。

(中略)

精神科にかかる患者が増えるのも、抗うつ剤の売り上げが増えるのも

それが本当に患者のためになるのであれば、私は一切批判はしません。

しかし、私の知っている現実はそれと全く逆です。精神医療現場では、

患者尊厳や命までも、精神医療産業利益と比べてあまりにも軽視

されていて、不当な診断をされたり、知らされなかった薬の副作用

被害に遭う人が本当に多くいるのです。

薬害エイズ事件は、患者の安全や命、尊厳が無視された結果、必然

に生じたものでした。私は、抗うつ剤に限らず、向精神薬による薬害

は、薬害エイズ以上に大規模な問題であると考えます。そして、無用

患者隔離拘束薬漬けにしてきた精神医療は、ハンセン病問題を

はるかに超える規模の犯罪・不作為であると考えます。

http://blog.livedoor.jp/mizikanamondai/archives/50929735.html

昨今、気軽に精神科にかかろうといった風潮があるけれど、精神科について知るにつれ、よほどのことがない限りあまり近寄らない方がいい場所に思えてくるんだけれど、どうなのだろう。

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