毎年、家族で恵方巻を食べるのが慣例だったのだけれど、俺が願うことはずっと同じだった。
「来年も恵方巻きを家族で頬張れますように」
よくわからない方位をスマホのコンパスで探して、茶の間で付けっぱなしのバラエティ番組を横目に、黙々と並んで食べるのが好きだった。少し良い恵方巻を惣菜屋で買ってきて茶の間で舌鼓を打つ、幸せな時間だった。
今年はどうだったかというと、母は恵方巻の代わりに宝くじを買ってきた。茶の間でスマホでタロット占いの動画をスピーカー音量MAXで見ている。父は経済番組を茶の間でヘッドホンを付けて見ている。
姉は結婚したので実家には居ない。
願いの連続記録はここでストップした。
Permalink | 記事への反応(1) | 23:53
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みんな食い過ぎで病気になってる時代に無駄に飯を食わせる習慣を流行らそうとするのは悪手だと企画するだれも思わなかったのかね?