欲しい本がある。
過去に出版された名著で、単行本の形式しかない。
電子書籍にもならず、再販もせず、値段ばかりが高い。
その内容が重要であることは確かで、しかしプレミア価格は正直きつい。
この本だけの話じゃない。
基本的に単行本での名著はなかなか文庫化されず、安さを求めるならその内容を簡易的にまとめた本を漁る他に術はない。
チャラチャラした奴が薄っぺらいスタンスで概要を独自にまとめ、「つまりあの本が主張していることは—」と名著の主張を収斂する。
違うんだよ。全く違う。
名著に含まれ綴られているのは主義主張のみじゃない。
彼らの文章は生きている。
溌溂とした一言一句をどうして再現できる?
彼らは主張されるべき内容を汲み取っているだけであり、主張それ自体には着目していないのである。
それは猫の肉球を語らず猫を語るようなものだ。
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