しばらく前に後輩に引き継いだ業務が、後輩の退職とともに久しぶりに俺のところに戻ってきた。
引き継ぎを受けてみて驚いた。
細かな工程がたくさん増えていて、作業量が単純に倍近くになっていた。
してもしなくても大した違いはないので(多少品質は上がるが)、俺が担当の頃は客から特に頼まれない限りはスルーしていたオプション工程だ。
しかも、単価は変わらずに。
普通にやっていれば割にオイシイ仕事だったのだが、ちっともオイシくなくなっていた。てか赤字だろこれ。
俺「ずいぶん厳しくなったんだね、むこうの担当者さん変わったの?」
後輩「いえ、ずっとMさんです」
俺「へえ、Mさんこんなことまで言ってくるようになったんだ」
俺「へ?じゃこのフローは誰が組んだの?」
後輩「僕です。ずっとこのやり方でやってたから、やらないとなんか気持ち悪くて」
後輩くんが独断で増やしたボランティア工程はすでに客先にも共有されていて、その業務の標準フローになってしまっていた。
俺のところに戻ってきたからと言って俺が勝手にやめることもできないし今さら単価を上げてくれとも言えない。
せっかくの優良案件を勝手に不良案件に格下げして後輩は辞めていく。
どーすんだよこれ。