小学校中学年くらいのころ、「写真」というものにはいろんなものがあるのだと気づいた。
読んでいる雑誌やガイドブックにあるような写真はカメラで撮ったもので、それは最近持たせてもらえている写るんデスなどでも同じように撮れるのだと。
だから、両親に連れて行ってもらったディズニーランドで、風景の写真を沢山撮った。自分が読んだ本みたいな写真になればいいな、とワクワクしながら。
「こういう時は一緒にいる人を撮らないとダメだ。なんの思い出にもならないじゃないか」
自分の意図はうまく説明できなかった。それから以後は父から言われたような写真だけ撮ることにした。
すっかり携帯やスマホで周囲の風景や遊園地のあちこちの飾り付けを撮るのが当たり前になっている今、ときどきこのことを思い出す。いまはフィルムの数に限界はない(ストレージの限界はあるけど)。