優秀な人が流出すると、穴を埋める潜在的人事が発動する。これも組織として成長を見守る余裕があるうちは良いものの、そうでないときは能力的に至っていない人への過剰な評価が横行したり、採用のバーが甘くなることで評価システムの辻褄が合わなくなったり、適切な人に適切な権限が与えられず組織管理の質が悪化する。
そしてこれは悪循環になり、その結果として組織は緩やかに沈んでいく。事業や組織の成長を焦って守るべきラインを守れなくなってくると、この悪循環に簡単に突入してしまう。
優秀な人は市場価値があるので、魅力ある組織に動く。一時期、六本木の C2C ベンチャーが人を吸い込みまくっていたように、そして今は日本橋のベンチャー X だろうか。あれだけ採用のバーを維持してきた GAFAM ですら、色々と混乱が生じている。組織の肥大化に応じて発生しやすいのは構造的にそうなんだろう。