「今日はありがとう!私たち初めて二人きりだよね!」 郁代は水族館の入口に着くと、嬉しそうにひとりの手を握った。「結束バンド」の仲間たちも誘ってくれたけど、今日は二人だけで来たかったんだ。 「うん…そうだね…」 ひとりは照れくさそうに頷いた。郁代が自分を誘ってくれて嬉しかったけど、同時に緊張もした。郁代が自分に何か期待しているのかもしれないし、自分が何か失敗したらどうしようと思っていた。 「じゃあさっそく中に入ろうよ!私すごく楽しみなんだ!」 郁代はチケットを渡して笑顔で言った。「水族館って最高だよね!色んな生き物が見られるし、癒やされるし!あっ!でもペンギン以外にも見てあげてね!」 「え?ペンギン?」 ひとりは不思議そうに聞いた。 「えええ?知らなかったの?私ペンギン大好きなんだよ!特にジェントーさん!あの赤いクチバシが可愛すぎる!」 郁代は目を輝かせて言った。「今日こそジェントーさんに会えるかな~?」
「ねえねえ、ジェントーさんってどこにいるのかな?」 郁代は水族館の地図を見ながら言った。「あっ、ここだ!極地動物館って書いてあるよ!早く行こう!」 「極地動物館…?」 ひとりは不安そうに言った。「寒くないかな…」 「大丈夫だよ!ペンギンたちが暖めてくれるよ!」 郁代はひとりの手を引いて極地動物館に向かった。 「わぁ~!すごい!ペンギンがいっぱいだよ!」 郁代は極地動物館に入ると目を輝かせた。オウサマペンギンやジェントーさんなど、さまざまな種類のペンギンが展示されていた。 「あっ!あそこにジェントーさんがいるよ!」 郁代は赤いクチバシと頭部の白い模様が特徴的なジェントーさんを見つけて指さした。「可愛すぎる~!写真撮ろう!」 「うん…」 ひとりは郁代に付き合って写真を撮った。郁代はジェントーさんに夢中で、自分のことは忘れてしまっているようだった。でも、それでも自分は嬉しかった。郁代が笑顔で幸せそうだから。