2022-10-14

S氏はAIに絵を描かせていた。

AIの描く絵は美しく、独創的だった。

しかし誰もがAIに絵を描かせることのできる時代となれば、

AIに描かせたS氏の絵が特別評価されるようなことも当然なかった。

あくる日。

S氏は友人であり科学者のF氏に呼び出され、自宅へと向かった。

するとF氏はタイムマシンを開発したのだと言う。

試しに10年前へ飛ぶというので、S氏も同行することにした。

S氏はこっそりUSBを所持し、そこにはAIに描かせた絵をたっぷり保存していた。

10年前の世界に着くと、そこで数日間暮らすことに。

S氏はF氏の目を盗むと、密かに自分の持ち込んだAIの絵を各賞に応募した。

S氏の絵は評価され、その美しさ、前衛から絶賛された。

数々のコンテストで受賞し、知名度評価も鰻上りとなったところで時間切れ。

未来へと戻ることになり、いっとき栄光の余韻に浸りながらS氏は再びAIに絵を描かせる。

するとS氏はある異変に気がついた。

彼の使用するいつものプロンプトには、自分名前が加わっていた。

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