警察官が15人くらい集まってて、近所のおばちゃんが、何かを警察官に説明していた。
その数日後、妻が「あそこのおじさん、孤独死したらしい」と言ってきた。例のおばちゃんが妻に伝えてきたらしい。
近所だけど、おっさんとの交流はほぼなかった。そもそも家の外にいるのをほとんど見たことがない。ただ一度だけ、犬を飼い始めたとき、犬用のオヤツを突然くれたことがあった。オッサンは犬を飼っていないのに。ただ保存状態などわからないことが多かったので、申し訳ないが食べさせずに処分させてもらった。少し罪悪感を感じながらおっさんの家の前を通ったら、一輪だけ花が供えられてた。
明らかにワンカップのラベルをはがしただけの花瓶で、花もこのへんにたくさん生えている薄紫の、雑草にしては透明感があってきれいな花だ。誰か、もしかしたらあのおばちゃんかもしれないが、お供えしたんだろうな。人が死ぬとどうも奇妙な気分になる。
とりあえず手を合わせてきた。