私も倒れてたおじいさんを発見して、救急車を呼んだことがある。その人は、本人の家の僅か5m前で倒れてた。路地奥の家なので目立たず、発見は偶々だった。
救急車を呼ぶ判断をするまて、ずいぶん迷った。感覚だが15分ぐらい、倒れたおじいさんの横にかがみこんで声をかけながら迷ってた。
独居と言う家はすぐそば(もちろん呼び鈴で確かめた)。本人は照れ隠しで作り笑いをしながら、自分で起きるから大丈夫と言う。しかし体はどうにもままならないようだし、手助けして起こしたら逆に痛めてるところを悪化させるかもしれない。
ここで救急車を呼んだら、本人のプライドを傷つけるというか、それ以上になにか絶望感を与えてしまいそうで、本当に踏ん切りがつかなかった。
結局、せめてと思って911にはサイレンは鳴らさず来られませんかと頼んだが、救急車はすぐに、けたたましいサイレンとともに来た(当たり前だ。致命傷かもしれないんだから)。
おじいさんは言葉をかける間もなく凄まじい手際で救急車にかつぎこまれ、運ばれていった。私は彼の名前も何もしらないし、私も名前を聞かれなかったから、その後どうなったのかは分からない。
彼は家に戻れたのだろうか? それとも、あのまま慣れ親しんだ家と別れることになってしまったのだろうか? いろいろ考えたが、とにかく、老いというのは理不尽だと今も思う。永遠に若くいられればいいのに。
正しい判断だったと思うよ。無理に身体を起こさなかった事も含めてね。 どうすればいいのか素人に的確な判断は難しいのだからプロに任せるのが正解。