2021-11-07

まれど、汚物の森

Twitterをみていたら、高校時代によく遊んでいた友達グループの5人が、なんとなく同じくらいのタイミング帰省企図している雰囲気があった。

こんな機会を捉えなきゃ、たぶん二度と会わず死ぬことになるよな、と思ったので、俺はあまり社交的なタイプではないんだが、エイヤっとばかりにみんなに声をかけてみた。「今度集まらない?」

意外とみんな乗り気で、なんと5人とも集まることになった。

場所は、森だ。町のハズレに神社があって、境内が鬱蒼としているので、なんとなくみんな「森」と呼んでいた。神主が常駐する感じでもなく、参拝客は全然おらず、人気がないのがよくて、ときどきみんなで行っていた。

青春の思い出に浸ろうぜ、っていうことだ。

当日、森にきた俺たちを出迎えたのは、ゲロだった。

ゲロが吐かれていた。

森はゲロでいっぱいだった、というと言い過ぎだが、まあ目立つ位置に、イヤな感じにそれはあった。

汚物だった。汚物の森だった。

俺たちは集まった。久しぶりに集まった。

まれどーー

 汚物の、森だった。

記事への反応(ブックマークコメント)

ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん